ロット管理とは?
WMSで商品を管理するメリットを解説
はじめに
食品や化粧品などを扱っていると、
「同じ商品なのに製造時期が違う」
「どの商品をいつ入荷したのか分からなくなる」
「不良品が見つかったとき、対象の商品をすぐ特定したい」
といった課題が発生することがあります。
このような商品を管理するときに重要なのが「ロット管理」です。
ロット管理を行うことで、同じ商品でも製造時期や入荷時期などのまとまりごとに区別して在庫を管理できます。特に品質管理や期限管理が必要な商品では重要な管理方法です。
本記事では、ロット管理の基本やSKUとの違い、WMSを活用してロット管理を行うメリットについて解説します。
※WMSの基本的な仕組みや機能については、「倉庫管理システム(WMS)とは?」の記事で詳しく解説しています。
ロット管理とは?
ロット管理とは、同じ条件で製造・入荷された商品を一つのまとまりとして管理する方法です。
そのまとまりごとに「ロット番号」を付け、製造日や入荷日、出荷履歴などの情報と紐づけて管理します。
例えば、同じ商品Aが倉庫に100個あったとしても、
2026年10月1日に製造された50個
2026年10月10日に製造された50個
では、製造時期が異なります。
商品名だけで管理するとすべて「商品A」として扱われますが、ロット番号を分けることで、どの在庫がいつ製造・入荷されたものなのかを区別できます。
特に食品、化粧品、医薬品など、品質や期限を管理する必要がある商品ではロット管理が重要になります。
SKU管理とロット管理の違い
ロットと混同しやすい言葉に「SKU」があります。
SKUとは「Stock Keeping Unit」の略で、在庫管理における商品の最小単位です。
例えば同じTシャツでも、
ブラック/Mサイズ
ブラック/Lサイズ
ホワイト/Mサイズ
では、それぞれ別のSKUとして管理します。
一方、ロットは同じ商品を製造時期や入荷時期などのまとまりで分けるための単位です。
つまり、
SKU
→「何の商品なのか」を区別する
ロット
→「同じ商品でも、どのまとまりなのか」を区別する
という違いがあります。
ECや倉庫では、SKUで商品を管理しながら、必要に応じてさらにロット単位で在庫を管理することになります。
なぜロット管理が必要なのか?
すべての商品で細かなロット管理が必要というわけではありません。
一方で、品質や期限が重要な商品では、単純に「在庫が何個あるか」だけでは管理が不十分な場合があります。
例えば食品の場合、同じ商品でも賞味期限が異なる在庫が倉庫内に存在することがあります。
また、出荷済みの商品に品質上の問題が発生した場合、
「どのロットの商品に問題があったのか」
「そのロットはいつ入荷したのか」
「どこへ出荷されたのか」
などを確認しなければなりません。
ロットごとの入出庫情報を記録しておくことで、問題が発生した際にも対象となる商品を追跡しやすくなります。こうした追跡の仕組みはトレーサビリティの確保にも役立ちます。
WMSでロット管理を行うメリット
ロット情報をExcelや紙で管理することもできますが、商品数や入出荷件数が増えるほど管理は複雑になります。
WMSを活用することで、在庫情報とロット情報を紐づけて管理しやすくなります。
①ロットごとの在庫状況を把握しやすい
WMSでは、商品や在庫にさまざまな情報を紐づけて管理できます。
ロット管理に対応したWMSであれば、
- どのロットが何個残っているか
- いつ入荷した在庫なのか
- どのロットを出荷したのか
などを確認しやすくなります。
同じ商品が大量に保管されている場合でも、ロット単位で在庫を区別することで管理精度の向上につながります。
②先入れ先出しを行いやすくなる
商品によっては、古い在庫から優先的に出荷する「先入れ先出し」が必要になります。
特に賞味期限や使用期限がある商品では、新しい在庫から先に出荷してしまうと、古い在庫が倉庫に残り続ける可能性があります。
入荷日やロット情報を管理することで、どの商品を優先して出荷すべきか判断しやすくなります。
③品質トラブル発生時に商品を追跡しやすい
ロット管理の大きなメリットの一つが、商品の追跡です。
例えば特定の商品に不良が見つかった場合、商品名だけで管理していると、すべての商品を確認しなければならない可能性があります。
ロット番号が分かれば、問題が発生したロットを絞り込み、その在庫や出荷履歴を確認しやすくなります。
必要な商品のみを確認・回収しやすくなるため、品質管理が求められる商品を扱う企業にとって重要な仕組みです。
④賞味期限・使用期限の管理にも活用できる
ロット管理とあわせて確認したいのが、賞味期限や使用期限の管理です。
ロット番号だけではなく期限情報も在庫に紐づけて管理できるWMSであれば、
「期限が近い商品はどれか」
「出荷できる在庫はどれか」
といった確認がしやすくなります。
期限管理に対応したWMSでは、期限が近い在庫を確認したり、出荷対象を判断したりする機能を備えている場合もあります。
ロット管理が向いている商品
ロット管理は特に、商品の製造時期や期限、品質を追跡する必要がある商材と相性があります。
代表的なのは、
- 食品、飲料
- 化粧品
- 医薬品、医療関連商品
- 健康食品
- 製造部品
- 品質管理が必要な商品
などです。
ただし、必要な管理方法は商品によって異なります。
ロット番号だけで十分なケースもあれば、賞味期限、使用期限、シリアル番号などを組み合わせて管理する必要があるケースもあります。
ロット管理を目的にWMSを選ぶ際のポイント
WMSによって、ロット管理の対応範囲は異なります。
導入する際は、
- ロット番号を登録できるか
- 入荷時からロットを管理できるか
- ロット別の在庫数を確認できるか
- 出荷するロットを指定できるか
- 入出庫履歴を確認できるか
- 賞味期限や使用期限も管理できるか
などを確認しましょう。
単に「ロット管理対応」と書かれているかだけでなく、自社で必要としている運用まで対応できるかを確認することが重要です。
※WMSの機能や連携、料金などを比較するときのポイントについては、「WMSを比較する際のポイントとは?おすすめの倉庫管理システムの選び方を解説」で詳しく紹介しています。
また、必要な機能を確認せずに導入すると運用開始後のミスマッチにつながる可能性があります。「WMS導入で失敗する原因とは?よくある失敗例と対策を解説」もあわせてご覧ください。
SunLOGIで在庫・期限情報を管理
クラウド型WMS「SunLOGI」では、商品管理、在庫照会、入出庫履歴の確認、在庫一覧の出力など、倉庫内の商品や在庫を管理するための機能を備えています。
また、賞味期限切れを管理する商品については、指定した日付や残日数に該当する在庫を確認できる「期限警告在庫照会」も利用できます。
取り扱う商品の種類によって必要な管理方法は異なるため、ロットや期限などの管理が必要な場合は、現在の物流業務や商品特性に合わせて必要な機能を確認することが重要です。
まとめ
ロット管理とは、同じ商品を製造時期や入荷時期などのまとまりごとに分けて管理する方法です。
ロット番号と在庫情報を紐づけることで、どの在庫がいつ入荷し、どこへ出荷されたのかを確認しやすくなります。
特に食品や化粧品など、品質や期限を管理する必要がある商品では、ロット管理によって在庫管理やトレーサビリティを強化できます。
WMSを活用する場合は、ロット番号だけでなく、入出庫履歴や賞味期限など、自社の商品に必要な情報をどこまで管理できるか確認しましょう。
自社の商品特性に合った管理方法を整えることで、在庫管理の効率化だけでなく、品質トラブルが発生した際にも対応しやすい物流体制を構築できます。